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豊洲新市場モニタリング結果について [たまにはお仕事のこと]

豊洲新市場モニタリング結果について軽くはないのですがまとめてみました。
誤字脱字はお許しください。また、あくまでも私的な見解ですので、この点もお含みおきください。

豊洲新市場建屋建設前に土壌汚染の措置(掘削除去や化学的分解だと思われる)を実施し、地下水汚染も確認されていることと併せて措置の効果の確認のために地下水モニタリングを行ってきた(まだ続くと思われます)。
第7回までは地下水基準に適合していたが、第8回目で地下水基準不適合が確認された。
この時の濃度のレベルは最大で地下水基準の約2倍程度(砒素が0.019mg/L、ベンゼンが0.014mg/L)であったところが、第9回目でベンゼンが最大で地下水基準の79倍の濃度が検出されました。
余談ですが、マスコミの報道では、地下水環境基準(環境基本法)という言葉使われていますが、この案件において正確には土壌汚染対策法で規定されている地下水基準に適合しているかどうかのモニタリングとなります。ただし、サンプリング方法、分析方法、基準値に関しては同じなので、手続き的にどの法律に基づいているかの違いとなります。

第9回のサンプリングの前の2016年10月に新市場建設と併せて設置された地下水管理システムが稼働し始めたことがそれ以前とは地下水への影響を与える要因として考えられます。
このシステムは、降雨などにより地下水位が上がった場合に揚水井戸から地下水を汲み上げ汚染がある場合には汚染を低減して下水放流するというシステムのようです。常時稼働するシステムではなく、不連続的な稼働により地下水位をあるレベルまで上げないようにするためのシステムと理解していたのですが、稼働状況はよくわかりません。
このシステムの稼働に伴い、地下水の移動が発生します。ちなみに新市場の各街区の廻りは鋼管矢板(円柱状の矢板を組み合わせたもの)を不透水層まで打ち込み、(設計上は)新市場街区と外との地下水の移動は発生しないことになっています。
したがって地下水管理システムが稼働して生じる地下水の移動はあくまでも新市場の各街区内での移動だけとなります。
地下水管理システムについては下のURLを参照してください。
http://www.shijou.metro.tokyo.jp/toyosu/pdf/pdf/gijutsu/siryo/18-3.pdf

モニタリングをするというサイドからの変更点を挙げると、第1回から第3回、第4回から第8回、第9回でそれぞれ調査機関が異なる点です。中央卸売市場からの発注による指名競争入札(指名かどうかは不正確です)により各調査機関が受注しているものです。
受注要件としては、土壌汚染対策法に基づく指定調査機関であることが必要となっているはずで、検体の分析をする調査機関いついて計量法に基づく環境計量証明事業登録をしている調査機関であることが必要となります。
指定調査機関にしても環境計量証明事業登録にしても、国(前者は環境省、後者は経産省)の定めた基準を満足していないと登録できない仕組みとなっていて、これらの登録をしている機関であれば、それ相応の技術力を持っているというのが一般の認識となります(まぁ、裏はいろいろありますが)。
今後、専門家委員会立会いのもと再調査(クロスチェック)が行われ、実態の把握が行われ今後の対応方針が検討されることと思われます。

背景については細かく書くととんでもない量になりそうなので、前提条件を簡潔にまとめると以下の通りになると考えられます。
①第1回から第8回までのモニタリングでは基準不適合はあったものの大きな濃度変動は確認されなかったが、第9回で高濃度のベンゼンが確認された。
②2016年10月から地下水管理システムが本格稼働した。
③モニタリング実施調査機関はこれまで3回変わっている。

①について
私自身も土壌汚染の確認されたサイトの地下水位モニタリングをしていますが、これほどの濃度変動を経験したことはありません(多くの調査機関も同様ではないかと思われます)。
さらに豊洲新市場のサイトではこれでもかというレベルの土壌汚染対策が行われています(詳しくはこちらでhttp://www.shijou.metro.tokyo.jp/toyosu/dojou/taisaku/inquiry/)。
また、土壌汚染対策法の手続きにしても(私の認識している範囲では)しっかり対応していたようです。
しかしながら、すべての土壌汚染を完全に除去することは不可能です。
なぜ不可能かというと、土壌汚染対策法で求められる調査は対象地を10m間隔のメッシュで区切り、汚染の存在する恐れのレベルに応じて30m格子(10mの区画が9個)または10mの単位区画ごとの調査を行います。
豊洲新市場では10mの単位区画ごとの東京ガスの操業地盤面(AP4m付近)での調査(ここ重要)を行なって、基準不適合の土壌汚染が確認された場合には深度方向の調査を行なっています。
しかし、最初に実施した、東京ガスの操業地盤面での調査で基準不適合が確認されなかった場合には、「汚染のない区画」として分類されます(土壌汚染対策法の仕組みですが、簡単には土壌汚染の存在を見逃さないような仕組みにはなっていますのでご安心を。)。
しかし、操業地盤面の撹乱などにより、操業指示盤面に存在していた基準不適合土壌が移動してしまっていた場合には、土壌汚染の存在を見逃してしまう可能性も否定できません。
また、ベンゼンの調査については最初の調査では表層土壌ガス調査(地下水位いが高い場合には地下水調査)により、土壌中にベンゼンの存在の有無を確認するのですが、豊洲新市場の調査では、東京ガスの操業地盤面での土壌溶出量調査と地下水調査を実施してベンゼンによる土壌汚染の存在の有無を確認しています。
土壌汚染の存在を取りこぼすとすると、要因はここにあるのではないかと考えています。
一部で未確認の地下水汚染が残存していて、地下水管理システムの稼働に伴いモニタリング用の観測井戸に移動してきたというのが、このシナリオをとしては最も整合性が取れているのではないかと思います(私の経験と知識の範囲ですが)。
現象面ではこれでいいのかもしれませんが、土壌汚染対策法という法律の限界が露呈してしまったということがさらに大きな問題として浮き彫りになってしまったことも重要な課題であると思われます。

②について
豊洲新市場では、当初から土壌・地下水汚染の存在が明らかになっていたので、地下水をどう管理していくのかという課題がありました。
新市場の三つの街区5街区、6街区、7街区でそれぞれ別々に街区を囲うように鋼管矢板を不透水層まで打ち込み新市場内の地下水が外部へ移動しないように施工されています。簡単にいうと、各街区は水槽の中のような状態になっています。
そのせいで、降雨などにより地下水位が上昇してしまう可能性があり、地下水を一定以下にして管理する必要があります。
陽水井戸から地下水をポンプアップすると当然のことですが地下水の移動が起こります。そのため「①について」で記述した未確認であった地下水汚染がモニタリング用の観測井戸付近に移動して検出された可能性があります。
地下水管理システムでは、地下水位の管理と合わせて排水の浄化システムも組み込まれているので、少なくとも下水放流が可能なレベル(概ね地下水基準の10倍)に汚染を低減してから下水放流されています。
少なくとも、この地下水管理システムが正常に稼働しているのであれば、地下水汚染が存在しても市場施設(生鮮食品を取り扱うという場面で)が地下水と接触することは考えられません。さらに長期的にこのシステムの稼働によって地下水汚染は低減されていくものと予想されます。

③について
この問題が最もナーバスな部分ですね。
環境分野に限らず色々分野で標準化というものが進められています。
ISOが代表的なものです。日本のJISもISOとの互換性を高めています。
環境分野では、環境基本法を頂点(基本かな)として、環境基準が定められ測定や分析の結果が一律に比較できるような体系となっています。そして、これらの調査・分析を実施するには、其れ相応の技術力を有したことを認められた調査機関であることが必要とされます。
サンプルの採取方法、採取したサンプルの管理、分析までのサンプルの前処理、分析方法、分析結果の値の表記方法などかなり細かく規定されています。
これらの規定により、調査・分析結果を一律に環境基準等と比較することが可能となる仕組みです。
これらの規定に沿って、仕事を進めれば、曲がりなりにもオーソライズされた方法で調査・分析が行われたことになり一般には計量証明書という形式で提出されることになります。
豊洲新市場での地下水モニタリング調査では、調査全体をマネージメントするためには土壌汚染対策法で規定されている「指定調査機関」である必要があります。
指定調査機関の認定を受けるには、土壌汚染調査技術管理者(認定試験は毎年行われているのですが、問題が難しいのか受験者のレベルが低いのかはわかりませんが合格率は10%程度となっています。)の設置が義務付けられていて、技術的なレベルが一応は担保されています。
分析については、計量法に基づき「計量証明事業登録」をしている分析機関であることが必要となります。こちらも管理者には環境計量士であることが必要で、管理規定もかなり細くなっています。
これらの条件の中で行われる調査・分析の結果であるので、大きな違いが生じることは考えられないというのが私の感想です。もちろん調査機関・分析機関によって多少のクセがあって調査・分析結果に多少の差が出ることはあります。
従って、第9回目までの結果は、適切に調査・分析をした結果であると思われます。
仮に何らかの圧力で・・・となると、想像を絶する圧力だったんだと思います。

まとめ
ここは簡潔に。
豊洲新市場の地下水モニタリングの結果は、かなりセンセーショナルなものでした。
新市場範囲は正常な土壌で埋め戻しされている、地下水管理システムにより地下水位が上昇しないようになっていて暴露管理がなされている、新市場で地下水を利用するわけではないということを考慮する・・・
安全か安全じゃないかといえば、「安全」。
しかし、安心か安心じゃないかといえば、「安心じゃない」ということになるのではないでしょうか。
不動産市場では、土壌汚染の存在したサイトにはスティグマ(心理的嫌悪感)で市場価格が下落することあるそうですが、豊洲新市場もまさにスティグマに翻弄されている感じがします。
これから先は、政治的な判断になってくるのでしょうね。
ただ、豊洲以上の面積要件、地理的条件を備えた土地は見つからないと思う。

参照URL
豊洲新市場各種調査結果
http://www.shijou.metro.tokyo.jp/toyosu/dojou/taisaku/inquiry/
豊洲新市場モニタリング結果
http://www.shijou.metro.tokyo.jp/toyosu/siryou/monitoring/
環境省の土壌汚染関連情報及び土壌汚染対策法について
http://www.env.go.jp/water/dojo.html
東京都の土壌汚染対策
http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/chemical/soil/index.html
豊洲新市場の区域指定について(最新版のはず)
http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/chemical/soil/attachement/sei23-86-9.pdf



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本日のミッションは、距離でもなく、獲得標高でもなくExcelのワークシート。
昨日すこだけ仕込みをしてあるのだけど、xlsタイプでは処理できないレベルの巨大ワークシートの攻略。
アプローチも確認済み、あとは実行あるのみ。

最大の問題は、ランで出勤するかバイクで出勤するかだ。
どうせ休日出勤するのであれば、それはそれで思いっきり楽しみたいからね。
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